CL:株式会社シコウ／AGV（自動搬送機）メーカー
理念から導く物語
株式会社シコウは石川県金沢市に本社を持つAGV（自動搬送機）メーカーです。AGVとは、生産現場の運搬業務を担うロボットのこと。最近はファミリーレストランなどで料理を運ぶロボットが身近になりましたが、あれもAGVの一種です。
同社は汎用品のAGVを手掛けず、すべてオーダーメイドで制作しています。こうしたスタイルのAGVメーカーは全国的にも例がなく、まさにオンリーワンの存在となっています。
業務の拡大に合わせてWEBサイトリニューアルの計画が進んでいましたが、テキストも全面的に見直したいという思いがあり、当事務所で担当をさせていただくことになりました。
言葉の意味を突き詰めていく
シコウには事業ドメインとして「“オンリーワン”のものづくりで、効率的な運びをサポートします。」という言葉がありました。かつては、これがWEBサイトにも大きく掲載されていました。このフレーズは企業の想いを良く表しており、社員にも愛着をもたれていました。そのため、ここからストーリーを書き起こしていくこととしました。
言葉には常に解釈の余地があります。同じ言葉でも、一人ひとりが違う捉え方をします。それが言葉の難しさであり面白さです。
私たちは、より厳密な言葉の定義を試みました。すなわち、シコウの考えるオンリーワンとは何か？効率的な運びとは何か？そもそもなぜ、すべてのAGVをオーダーメイドで作るのか？いくつもの疑問を投げかけ、対話を重ねることで、シコウの持つ考え方や固有の思想を発掘していきました。
そうした対話によって得られた情報から、一つの短い物語を作りました。当初はWEBサイトに掲載する予定はなく、全体の方針を示すものとして作りましたが、「シコウの想い」として採用いただきました。これはほとんど修正が入ることなく、そのまま掲載をされています。
すべてのテキストに物語を
企業にとって重要なのは理念です。しかし一方、この理念をきちんと生かしている企業は少ないようにも思います。
多くのケースでは企業理念を壁に張り出し朝礼での一斉唱和などを通じて浸透をはかっています。しかし、丸暗記させることにさほど意味はありません。理念は実践されてこそ。そのためには、その理念の意味を一人ひとりが考え、自分たちの仕事に落とし込んでいく必要があります。
このWEBサイトのリニューアルにあたり、ほかのテキストも大幅に書き直しました。導入事例、導入プロセスなどについても、企業の理念がどうやって実践されているかを伝える記事とすることで、シコウというオンリーワンの個性を表現しています。
