WEBサイトは、誰に向けて作るのか

マーケティングとPR

とあるB2B企業のWEBサイトを制作する際に、WEBマーケティング会社の人たちと議論になりました。

私は「若手社員のおばあちゃんがこのWEBサイトを見るかもしれない。その時に、うちの孫はいい会社に勤めたんだな、と安心できる、そんなサイトであるべきだ」と考えていました。
しかし一方で、マーケティングを担う人たちは「そんな必要はない。社員の祖父母が顧客になることなど、絶対にありえないのだから」と主張しました。

広報PRのRとはRelationshipのこと。つまり広報の目的は関係構築です。広報の立場からは、情報発信は社会からの信頼の獲得や社員のモチベーションアップが重要で、売り上げはその結果だと考えます。一方で、WEBマーケティングを担う人たちは、WEBは顧客獲得のツールと位置付けています。つまりより直接的に売り上げを獲れるサイトが良いサイトだという価値観です。

これは、どちらかが正しいというわけではありません。正解はその中間のどこかにあるのでしょう。企業の抱える課題にも関わってきますし、経営者の考え方によっても変わります。

企業活動の目的が変わったのなら

そういう意味で『日経ビジネス』の8月12日・19日号、IR発信力ランキングは大変に興味深い特集でした。大手企業の投資家向け情報発信は、いまや非財務情報のウエイトが高く、社会的価値の追求やその取り組み、さらにはSNSやYoutubeを使った情報発信の工夫などに各社の意識が高まっています。ROEや配当が重要なのは言うまでもありませんが、最近では個人投資家が増えたこともあって、判断材料も大きく変わってきています。

https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/01861

ドラッガーは、企業活動の目的は「顧客の創造」だと言いました。この意味は、かつては業界内での競争優位に関する課題だったかもしれません。今ではこれが、社会的価値の創造へと大きく変わっています。こうした価値観の変化について、経営者の意識は変わっているでしょう。しかしWEBサイトの位置づけはどうでしょう。

やはり、こうしたものも変わっていくべきだと考えています。

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