健全な企業文化をつくるために

私が以前いた会社は、2020年に倒産しました。
その理由はいくつもあったと思いますが、今振り返ると、ビジョンや夢を語る人がいなくなり、会議に出ても「問題探し」ばかりが行われるようになっていたように感じます。他部署の批判が横行し、感情的に他人を批判する人間の力が増していきました。その結果、会社は活力を失いました。

企業文化は戦略を食べる

ドラッガーにCulture eat strategy for breakfast、という言葉があるそうです。
「eat 〇〇 for breakfast」とは「朝食として食べる」の意から転じて、コテンパンにやっつけるという表現となります。すなわち企業文化とは、戦略よりもはるかに経営に影響があるということです。

この書籍『企業文化をデザインする』は、この企業文化についてまとめられています。
Airbnbやサイバーエージェントなどが、いかに企業文化を大切にしてきたか。また、企業文化を育むにはどうすればよいかが紹介されています。

他人の批判か、夢を語るか

他人の批判か、夢を語るか。
それぞれの会社に独自の文化があるとはいえ、大事なのはこの2択です。この本にも示されている通り、企業が成長の踊り場に差し掛かった時、「成長」というポジティブ要因が薄まると、相対的に「問題探し」というネガティブ思考がマジョリティを占めるようになります。それは企業文化の危機です。

問題探しばかりしている組織で、能力を発揮するのは簡単ではありません。
もし職場の飲み会に行ったとき、話す内容が組織への不平不満ばかりで、ビジョンや夢について熱く語り合える雰囲気もないなら、その会社の存続は危ういといえるでしょう。まだ若い世代なら、そんな企業文化に染まる前に、早々に居場所を変えたほうが良いかもしれません。

利己的な人が得をしてはいけない

海洋学者の「さかなクン」によると、メジナは広い海にいるときは助け合うが、狭い水槽で飼ったとたんいじめを始めるそうです。広い海には食料が無限にある反面、外敵も多く、助け合わなければ生きていけません。一方で狭い水槽は安全ですが、エサは決まった量しかもらえません。つまり、広い海では組織のために献身的にふるまうことが合理的であり、狭い水槽では利己的にふるまう個人が得をすることになります。

会社という狭い水槽にいる人は、ポストや成果といった限りのあるものを奪い合う感覚に縛られます。そうした組織では、問題点ばかりが強調され、他人の批判が横行し、社内政治に長けた人間が力を持つようになります。そうなったら、その会社は衰退します。

コンテンツ作りとは、企業文化への投資

当事務所は、企業発信型のコンテンツ制作に特化した事務所です。
私たちは、良質なコンテンツを発信し続けることは健全な企業文化への投資であると位置づけています。

私たちの掲げる「コンテンツドリブン」モデルとは、企業の理念に基づいた物語を発信し、その会社がなぜ存在しているのかを内外に向けて語り続けることで、共感を広げてビジネスを拡大することを目指しています。これは言い換えれば、狭い水槽に住む社員を、広い海に連れ出そうという試みでもあるのです。

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