広報の役割とは
広報の重要性が増しています。
しかしながら多くの中小企業では広報部そのものがなく、専任の広報担当者を置いていません。漠然と危機感を持ちながらも、課題が明確にならず取り組みが進んでいない企業も多いように思います。ここでは、現代的な経営のなかで、なぜ広報の重要性が増しているのかをまとめます。
広報と広告の違い
広報と広告の違いも曖昧です。なかには無料で取材してもらうのが広報で、お金を払って掲載するのが広告という理解もあります。こうした考えから、広報活動の成果を広告費換算000円などと表現することもあります。また広告会社がPRを兼務し、ニュースリリースなどを書くケースも少なくありません。
英語にすると違いは明確です。広告はAdvertise。これには人の注意を惹きつけるといった意味があります。広報とはPR、すなわちPublik Relationsです。社会との関係性を構築するのが広報の役割です。これらは本来別のものですが、日本語では広く報せる、広く告げるとほとんど同じ意味になることもあり、あまり区別されてきませんでした。
社会の変化が広報の価値を変えた
ここ数年の間に、広報の価値が飛躍的に高まりました。情報化社会が進み、企業と消費者の接点が一気に増えたためです。かつてはCMと商品がメインだった顧客接点が、WEB・SNSによって劇的に広がりました。一般の人たちによるクチコミが強い力を持つようになり、デジタル空間での評判が企業のブランド価値に直結する時代となっています。こうしたなか、多くの企業では積極的に情報を出すことでブランド価値を維持しようと考えるようになりました。すなわち、広報によるブランド構築です。
隠さない姿勢が信頼を勝ち取る
情報発信によって社会との信頼関係を創り出していくのが、広報の役割です。
売上作りに関することのみならず、企業理念や取り組み、商品を生み出すまでの努力や社員一人ひとりの想い、社会貢献といった情報を、戦略性・一貫性をもって、継続的に発信し続けることで企業のパーソナリティが形作られていきます。
トヨタ自動車の「トヨタイムズ」は”誰でも見られる社内報”をコンセプトに、労使交渉の生々しいやりとりまでオープンにしています。また、日本サッカー協会の「Team Cam」は、各種大会に参加する代表チームに密着し、彼らの葛藤や勝った喜び、負けた悔しさをそのまま動画で流しています。
そうした姿勢に多くの人が共感し、信頼を寄せるようになっています。
ブランドの意味が変わる
かつてブランドとはCI(コーポレートアイデンティティ)を中心に語られてきました。ロゴマーク、イメージカラー、キービジュアルやキャッチコピーなどに企業は多大な投資をしてきました。それは、企業と消費者の接点がそこにしかなかったからです。いまブランドは社会からの信頼として語られる時代となりました。だから、広報の優先順位が高まっているのです。
当事務所は特に広報担当者が置けない中小企業向けに、広報業務を請け負うサービスを展開しています。企業理念をベースとして一貫性のあるコンテンツを作り続けることで社会との信頼関係を構築し、さらに社内の一体感を高めることを目指しています。