編集の役割とは
最近、よく聞くようになった職種に「インハウスエディター(社内編集者)」というものがあります。
特に情報発信を重視する企業に見られ、比較的良い待遇で募集されています。メディア業界にいた人たちが、企業内編集者として活躍するケースもあるのだと思います。
編集者の技術とは、ライターやカメラマン、デザイナーに比べてわかりにくいところがあります。そのため、一般的に価値が認められにくいと感じていました。しかし、こうした職種が流行っていることを見ると、時代も変わったのだと実感します。
情報の料理人
一般的に単なる情報には付加価値がありません。
もちろん、それ自体貴重な情報はたくさんありますが、編集者はこの情報を収集整理し、組み替えることで付加価値を生みだします。
情報が食材だとすれば、コンテンツ/物語は料理です。
じゃがいもやにんじんは、それ自体美味しいものですが付加価値はありません。これをプロの料理人がサラダやカレーライスにすることで、数倍もの値段をつけることができます。編集者の仕事とは、情報の料理と言えます。得られた情報を加工し、並べ替え、組み合わせることで価値のある物語を生み出すのです。
文脈によって価値が変わる
情報を組み合わせ新しい価値を生む際に意識するのは「文脈」です。人は文脈によって価値を理解します。編集者はこの文脈を作り、また利用することで価値を生み出します。
一つの商品でも、それが生み出される背景や関わった人の想いが語られることで価値が変わります。編集者はこまめに情報を集め、組み合わせ、加工し、文脈をつくり情報の価値を高めていきます。また全体のコントロールをすることも重要な役割です。編集者がいる企業は、WEBサイトや各種の販促ツールもまるで一つの雑誌のように積み重なっていくでしょう。全体として一つの方向性を持った表現となるために、一つひとつの情報の価値もまた高いものとなるのです。