2025年の所信について

あけましておめでとうございます。

私にとって昨年最大の出来事は、新卒時代から20年以上仕えたボスであり、前職の出版社『金沢倶楽部』の創業者であった林容正さんが亡くなられたことでした。短気でいい加減でハチャメチャな人でしたが、抜群に頭が良く、どうしようもなく魅力的な方でした。

林さんのこともあってか、時代の変わり目を感じています。彼の世代には、強烈な個性をもった経営者が多くいました。これは、高度成長期からバブル期に伸びた人の一つの特徴ではないかと思っています。成長期のビジネスは増える市場の奪い合いでもありましたから、押し出しが強く、商売勘が鋭く、世間から頭一つ抜き出る才覚ある人が求められたのでしょう。結果的に、この時代を作ってきたのは、個性の塊のような経営者たちでした。

現代では経営環境は激変しています。市場が縮小する一方で、コンプライアンスやサステナビリティ、資源高騰、人材不足など課題は複雑化しています。この世代では、仕事に粘り強く取り組み、難解な連立方程式を解いていくような、戦略的で冷静な人が求められています。

これからの時代には原点をしっかり見つめることが重要になります。企業にとっての原点とは経営理念にほかなりません。理念と行動が一致するところに社会からの信頼が生まれ、それが企業のブランドを形作っていきます。私自身が個人事務所を開設したのも、長年雑誌作りで培ったノウハウを用いて、企業の想いを社会と共有可能な物語に変えて発信することが、これからの中小企業経営に貢献できると信じているからです。

2024年は本当に多くの方に助けていただいて、ほんの少しだけですが事業を伸ばすことができました。2025年には、今度は自分が人を助けられるような力を付けたいと思っています。

本年も、よろしくお願いいたします。

コメント

この記事へのコメントはありません。

関連記事