企業価値を高めるPR

多くの企業で、広報の重要性が認識されはじめています。なかでも大きな変化は、広報を「経営機能」と位置づける動きです。本書は、上場企業を中心に広報に対する意識の変化をレポートしています。

経済的価値と社会的価値

多くの企業が統合報告書や中長期経営計画を作成するようになりました。こうしたレポートのなかで、企業価値を「経済的価値」と「社会的価値」に分けるケースが一般化しています。経済的価値は決算書に記載でき、評価軸も確立されています。しかし「社会的価値」を伝えるのは簡単ではありません。

社会的価値とは、大きくはブランド価値や顧客との関係性、また社会課題への貢献などで構成されます。これらに決まった項目があるわけではなく、評価軸も曖昧です。成果が目に見えて現れるものも少なく、価値判断も主観的にならざるを得ないため、表現するには広報活動は欠かせません。そうした意味で、広報の目的が企業価値の向上に変わってきているのです。

3つのステークホルダーとの関係性

本書によると、広報の対象も変わりました。いまは、顧客や株主よりも「ステークホルダー」という表現が一般的になっています。ステークホルダーとは利害関係者全体のことですが、大別すれば①インベスター(出資者や金融機関)、②カスタマー(顧客や未顧客)、③インターナル(「従業員やその家族」「取引先」「就活生・学生」)となります。最近の傾向では、③のインターナルに対する意識が高まってきています。

例えば、人事部門と広報部門がプロジェクトを作り、理念浸透などを目指してインナーブランディングのキャンペーンに取り組むケースなども増えていると言います。

広報専門部はなく、質的にも低い

一方、広報活動への組織的な取り組みといった面では、少なからず課題もあるようです。
広報業務に経営層がコミットしているケースはまだ少なく、広報部門が無かったり、あっても兼務、または1人の担当者がすべての広報業務を請け負っていることも多いと言います。

広報を「マーケティング」と捉えて営業部が管轄するケースや、コーポレートサイト更新などといった「定型業務」とみなし総務部が管轄するケースも良く見られます。個人的な感覚ですが、中小企業においてはほとんど広報専門の部署は存在していないでしょう。

広報業務は、どこか生活習慣病にも似ています。改善すべきだとわかっていても、すぐに病気になるわけでもないため、後回しにされがちです。しかし、自分たちの価値を社会に伝える活動に取り組む企業と、そうでない企業では、中長期的に差が生まれることは明確でしょう。

経営層が直接関与する広報

企業の「社会的価値」が重視され、これを生み出すのに「広報」の力が欠かせません。広報が企業価値の向上に直結する部門である以上、経営機能として位置づけられるのは当然のことです。経営者が直接関与し、経営の戦略や企業の課題と向き合った広報部への進化が問われています。

当事務所では主に、中小企業の広報のサポートを行っています。下記のPDFに導入プロセスをまとめています。ぜひ、お時間ある際にご覧くださいませ。


■中小企業のための戦略広報導入ガイド
https://paperback.cc/wp-content/uploads/2026/05/whitepaper.pdf

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